七夕の夜に思ふ

今年も、この夜がやってきた。そう、七夕である。織姫と彦星が天の川で逢瀬を誓った、その日である。8月にこの行事を行う地方もあるし、そもそも新暦で数えることのほうがおかしいのであるが、旧暦の7月に行うところもあるだろう。ま、ともかく、ほしまつり、たなばた、である。

今年の7月7日は昼間から晴れわたり、夜になっても、雲がちらちらとしか見えないくらいだ。なぜか、七夕、となると、曇ったり、雨になったり、ということが多いと思われるのは気のせいだろうか。夜の天気をことさら気にする一年中でも数少ない日のひとつであろうと思われる。

ところが、である。ここ東京では、空が明るいのだ。窓を開けて、ベランダに出る、そもそもこの部屋からの視界は悪いのであるが、それにしても、星が見えない…。見えない、というわけではないのだが、まさに数えるほどの星しか見えないのである。天の川など、もってのほかだ。見えるはずもない。外を歩いて、川のほとりなどまでいけば、もしかしたら、見つけられるだろうか? それにしても、夜中だというのに白んでいるこの空はなんだ。

実家は広島だが、市街地ではないので、それなりに星は見えたと思う。少なくとも、星座を確認できるほどには。天の川を見つけられるほどには。うむ、いかにここが東京の端部とはいえ、やはり、ここは都市なのである。

とはいっても、高校ではこの時期、期末試験直前あるいは真っ盛り、といったわけで、七夕どころではない。かといって、大学にはいって何があるというわけじゃないが。空では逢瀬を楽しんでいるにしても、こちとら半身ハダカでキーボードをたたいている。さむすぎる…。

といったところで思い出したことだが、Dreams Come True の曲に、「7月7日、晴れ」(1996 / LOVE UNLIMITED∞ 収録)というのがある。

奇跡は起きなくても 空のふたりが会える 今夜だけ
一瞬でいい
思い出して 思い出して ただそれだけで
明日も あなたを想う 勇気になる

うーしくしく…。こういう歌を聴いていた時代も(遠い目)ありましたか…。クリスマス、バレンタインデー、こういったつまらない、カンケーない日にこだわるのはやめて、七夕にこそ…、ね、という主張もあったらしいのですが。う、ますますさむくなった…。

そうそう、やはり、七夕といえば、ささのはさらさら、である。子供のときには短冊も書いたものだ。何と書いたかは覚えていないが。いま、部屋のベランダから、少し離れた家の玄関のあたりが見える。ここには、七夕の飾りがある。うむ。風流だ。

数年前に、属していたサークル(?)で、6月終わりにイベントをやったとき、「ちょっと早めの七夕」ってなかんじのコーナーを設けて、笹をとってきて(Thanx! Haggy!)たてて、短冊をおいてみたりした。そういえば、あのときの短冊にはなんて書いてあったのかしら。

さて、いま短冊を渡されて、お願いを書きなさいといわれたらなんと書くだろうか?

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