ひとり酒は…

先日、誘われて久しぶりにのみに行った。(こう文章にしていると思うのだが、やはり、酒を「のむ」というのは、漢字で書くと、「飲む」よりも「呑む」のほうが堕落してそうでなんかイイ…)その店にはかなり長く行ってなかったかもしれないとその彼らとも話しつつ、まあ、飲んでいたわけだ。

そしてふと思うのは、うちでもひとりで酒(といってもビールをひと缶くらいだけど)を飲むようになったなあということだ。僕がアルコールを本格的に口にするようになったのは大学に入ってからだけれど、そのころには、酒は人とのコミュニケーションを主として飲むんだから、うちでひとりで飲むことなんてない、と言ってはばからなかったものだ。現にそう思っていたし、今でも、人とのコミュニケーションに、あるいはその口実につかえるものだと思う。もちろん、時代錯誤的に“ノミニケーション”なんてコトバを口にしたりはしないが。

だが、なぜか最近、といってもここ数ヶ月前からくらいだけれども、食前あるいは食事中に、ひとりでビールを飲むことが、ときとしてあるようになった。

そもそものはじめはいつころだったか…。就職活動で京都から東京にきた友人が数日滞在していたときだったか。毎夕、夕食は弁当とか、そういうのにしたんだけど、ビールも買って来て飲んでた。ふーん、と思いつつ、まあ、人と飲むのは嫌いじゃないから、飲んでいたんだけど、それがはじまりだろうか。あるいは、大学帰りによって夕食の食材なんかを買い物する、最寄りのスーパーで、酒類の販売が始まったからか。生鮮野菜→肉魚類→お惣菜類→…とまわって来て、レジに至るその直前に、酒類がおいてあるのだ。あ、と思って、ふと、350mlのビールを手にしてしまう。ちょっとひとりで500mlは多くはないだろうか、と思ってしまうあたりがまだ若い。

残念ながら、日本酒が苦手な質なので、そのへんを常備したりはしないし、焼酎類もあまり好きではないので、同じく、そういうストックもない。けっきょく気軽にビールということになってしまうところあたりが、フツーな学生だ。ただ、いくら安くても、発泡酒にあまり手を出したがらないのは、それなりの分別か、プライドか。

ワインなどでもいいのだけれども、ご飯(メシ)の前にというのもなんだかなぁ、という気になる。謎のやる気でカクテルというのも同じ理由により却下だ。ウィスキーというのもあるが、次の日の朝が心配だ。

そんなこんなで、うちで、しかもひとりで飲むようになって、改めて、寄る年波を、21にして感じる今日このごろであった。ただ、その話をしていたら、聞いてた横のおいたんが苦笑いをしていたのが気になるのだけれども。おいたん、歳とることはわるくないし、酒のむこともわるくねーぜ。気にすんなって。これって、自分に対するイイワケかな。

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