- あっぷあっぱー [UP-UPer]
「あっぷあっぷ」している状態の人。しかし「あっぷあっぷ」というのが「非常に困ってもがき苦しんでいる様子」という意であるのに比して、自ら「あっぷあっぱー」と称する場合には、その追いつめられた状態を楽しんでいることがあるということに注意すべきであろう。だからといって、さらに追いつめることができるのは本人のみである。他人の強制によって追いつめられた場合には、彼のやっている仕事は中途で崩壊し、とりかえしのつかないことになってしまうことがあるので、追いつめすぎには注意していただきたいものである。ただし、本人が了承するうちはほとんど問題がないはずなので、ある程度までは追いつめても大丈夫であろう。(いったいどっちなんだ!)
学会で三島に行ってきた。ここ最近、「あっぷあっぱー」なる言葉によって自分の状態を形容していた「迫り来る学会」ってやつである。そもそも、9月の半ばに学会の講演論文原稿が…云々といっていたやつである。
10月のはじめにも学会で名古屋まで行ってきたが、これはまあ、学会初体験というわけで、それなりの緊張感なるものがあったのを憶えている。さて、その発表のあとで「次の学会ではちょっと進めた内容にできないかなあ」なるお言葉をのたまわれるS教授なのだった。おそるべし、である。もちろん、講演論文そのものは既に提出済みなのだが、学会というものは「そのときまでに進んだ最新状況を発表しても構わない」ということらしいので、進んだ内容を発表する イコール 研究をバリバリ進めよ、ということなのであろう。
しかし…。当然のことながら、学会直前の忙しさを考えると、やはりその直後には少々お休みをいただきたいわけで、それなりにまったりとした一週間をすごし、しかも10月はじめというと講義がスタートしているわけで、そちらもそれなりにやらなければならないし、講義がスタートしたということは、「ドキュメント解析」をしなくてはならないわけなのであった。というわけで、研究らしい研究は進まずに10月の終わりを迎えるのだった。さらに、11月はじめには輪講で論文紹介をしなくてはならなかったわけで、その論文翻訳を行うということは、やはり研究が進まないわけであって、しかもその輪講が終わってしまうと、またそれなりにお休みをいただきたいわけで、それなりにまったりした一週間をすごし、そうなると、いつのまにか、学会の前の週になっているわけで、S教授から「来週の準備はどうかね?」 なるありがたい(まさに、有難い …っていうか、ありえない…)お言葉をいただき、思わず「なんとかなります、いや、なんとかします」などと答えてしまうのであった。
とかなんとかいっているあいだに、学会一週間前の水曜日になっているわけで、この日は何故か朝から晩まで某テーマパークで遊んでいる自分がいるのだった。いや、実に楽しかったのだが。この時点ではまだ余裕だったのだ。ただし、その週のはじめに、データ処理プログラムは満足のいく出来ではなく、よくわからないが小さなバグがあるやもしれぬという状態で、しかし、シミュレーションデータの性格を変えるとそのバグは見えなくなるので、このまま行くぜェ的方針を固めてしまったという前提のもとでの余裕だったのだが。
はたして、直前の週末を迎えた。この土日で発表原稿およびプレゼンテーション(β版)を完成させて、月曜日の昼に堂々と教授に見せて、ダメ出しをもらって、その夕方には完成版をしあげるつもりであった。とかなんとか言いつつ、土曜日は思わず昼過ぎに起床してしまった。もちろん、まだまだいける時間である。さっそく研究室に出かけ、プレゼンテーションのための図表や、発表用の原稿(というよりも先生への研究進捗報告書もどき)をちまちまとつくるわけである。なにしろ、次の日は日曜日。この日にプレゼンテーションのレイアウトするつもりであることを考えれば、まだまだ余裕綽々であろう。しかし、世の中はそのようには動かないのであった。
この土曜日には、友人がナベっていたのである。そのことはもちろん知っていたのだが、「あっぷあっぱー」なる状態を鑑みて、不可なる返事をしたはずである。ところが…。午後9時半過ぎ、鳴る携帯電話。「かもーん」である。ひとたびは断る。ふたたびも断る。ついでにみたびも断る。しかし、ヨッパライの執拗さとその勢いよ、おそるべし。かくして、大学までの車での迎えと引き換えに、「夜の部」への参加が承認されたのであった。午後10時半ごろ、研究室を出撃。そのまま友人宅まで護送。以降、飲む食う飲む喋る、そして、撃沈、静かに就寝。次の日(日曜日)は昼ごろに目覚めるも、何故か研究室へすぐの出撃はなく、まったりとした時間を過ごす。夕刻、覚悟を決める。よかろう、今夜は徹夜だ。
というわけで午後8時過ぎに一度うちに帰って、シャワーを浴びたあと、研究室へと出撃。かなり弱り気味なノウミソを酷使しつつ、早朝(もちろん既に月曜日)にはプレゼンテーションが(似非)完成。そのまま撃沈、デスクにて仮眠。その午後に一応の先生チェック。もはやとくにダメ出しはないらしい。夕刻、帰宅して、久しぶりにうちで夕飯を食った。
火曜日。プレゼンテーションを少しばかり手直し。え、発表原稿?発表練習?原稿暗記?なんですかそれは。すべては、度胸と愛嬌、ハッタリとイキオイでございます。うーむ、今回の発表内容のコア部分は、プログラミングはしたものの理論は理解しきっていないのだけれども…。まあ、なんとかなるでしょう、っていうか、なんとかなれ。
そして本日、水曜日。やはり今回の学会でも、度胸とハッタリであった。もちろん、重要なる味方、共同(連名)研究者のS教授は重要である。まあ、ともかく、やっつけたのであった。
現在、帰りの新幹線である。えーっと、先生からプレゼンテーションのために借りたノートパソコンを開いて雑文を書いているのは、やはりどうかと思うのではあるけれども…。